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西内 満美子
放射線化学(インターネット), (97), p.13 - 27, 2014/00
超高強度レーザーと薄膜ターゲットの相互作用によって初めて陽子が発生したのが確認されてから、15年が経過した。初期の段階ではキロジュールクラスのエネルギーのレーザーパルスを用いて、50MeVの陽子線が発生していたが、現状に至っては、小型の繰り返しの効くレーザーによって、同党の陽子線が発生できるようになってきて、様々な応用への展開が見え始めてきた。本稿においては、レーザー駆動イオン線に関する特徴や、最近の研究結果などについてレビューする。
Esirkepov, T. Z.; Borghesi, M.*; Bulanov, S. V.; Mourou, G.*; 田島 俊樹
Physical Review Letters, 92(17), p.175003_1 - 175003_4, 2004/04
被引用回数:900 パーセンタイル:99.76(Physics, Multidisciplinary)超高強度レーザー(10W/cm)と薄膜(m)との相互作用による相対論的高密度イオンビーム生成について、理論的検討並びに3次元PIC(Particle-In-Cell)シミュレーションによる検証を行い、光圧によるイオン加速が効率的に生じる結果、イオンエネルギーはGeV領域に達することを示す。
松門 宏治*; Esirkepov, T. Z.; 木下 健一*; 大道 博行; 内海 隆行*; Li, Z.*; 福見 敦*; 林 由紀雄; 織茂 聡; 西内 満美子; et al.
Physical Review Letters, 91(21), p.215001_1 - 215001_4, 2003/11
被引用回数:136 パーセンタイル:95.25(Physics, Multidisciplinary)東京大学原子力工学研究施設の超短パルスレーザーを用いたイオン発生実験を行った。レーザーパラメーターは、波長800nm,パルス長50fs,ピーク強度610W/cmでコントラストは10程度,ターゲットは厚さ5mのタンタル箔を用いた。その結果、1MeVのプロトンと2MeVの電子の発生を確認した。この実験結果を解釈するために、ターゲットがプリパルスによって完全にプラズマ化した状態でメインパルスと相互作用をする低密度プラズマスラブを用いた新しいイオン加速機構を導入し、さらにそれに基づくシミュレーションを行った。実験結果とシミュレーション結果は良好な一致を示した。また、新しい加速機構が有する独自のレーザー強度に対するスケーリング側に基づいて、実用的なレーザープラズマイオン源の可能性が示される。
大道 博行
レーザー研究, 31(11), p.696 - 697, 2003/11
本小特集では、超短パルス超高強度レーザーと物質との相互作用に関し、電離,プラズマへのレーザーエネルギーの変換,電子加熱,プラズマからの粒子,X線の放射等について順を追って解説している。超ペタワットレーザーの拓く相対論の世界と題する解説では、相対論的レーザープラズマの中で、電子のみでなく陽子も相対論効果が顕著になる10W/cm以上のレーザー強度のプラズマ物理について論じている。実験室宇宙物理学と題する解説では、繰り返し超短パルス高強度レーザーの特徴を活かした研究テーマを検討する。このようなレーザーによる照射で生じる固体密度プラズマを用いた極限物性状態について論じている。超強磁場生成等超高強度レーザー生成プラズマ中でおこる現象と天体現象との関連を論じている。このほか産業利用に向けた取り組みを紹介し、小特集の位置づけを行っている。
大道 博行
レーザー研究, 31(11), p.698 - 706, 2003/11
現在、集光レーザー光強度10W/cmが達成されておりターゲット照射実験が活発に行われている。レーザーパルス幅を10フェムト秒程度にすることができれば、エネルギー1J程度で強度10W/cmが達成可能である。このレーザーのコヒーレントエネルギーがプラズマ中の電子の相対論的運動エネルギーに変換される過程を論文中で詳しく紹介している。この変換過程はレーザーのコヒーレンスを物質中のコヒーレントエネルギーに変換する過程とも解釈でき、電子はレーザー光伝播方向に集団加速される。発生する高エネルギーイオン,X線等にも指向性が生じる。相互作用を工夫するとエネルギー領域のスペクトルを狭くすることも可能であるとのシミュレーション結果もあり、アイデアを先鋭化させる必要がある。これらの結果は基礎科学に大きく貢献するのみならず、小型高繰り返し運転に支えられた産業利用への発展も示している。
Zhidkov, A. J.*; Koga, J. K.; 佐々木 明; 上坂 充*
Physical Review Letters, 88(18), p.185002_1 - 185002_4, 2002/05
被引用回数:181 パーセンタイル:96.39(Physics, Multidisciplinary)イオン化を含む相対論的粒子シミュレーションにより、遮断密度を超えるプラズマスラブと超高強度レーザーでの相互作用における放射減衰の強い影響を見出し、解析した。ラジアンスWm/cmとパルス幅20fsのレーザー放射によって生成された高速電子では、そのエネルギーの35%以上が放射に変換され得ることがわかった。放出されるX線はインコヒーレントで、レーザーのパルス幅の間のみ放出され、高強度になり得ること、レーザー強度に対して変換効率は非線形的に増加することを示す。サイクロトロン放射と同様に、超高強度レーザーで生成されたプラズマにおける相対論的電子の最高エネルギーは、放射減衰によって制限されると考えられる。
西内 満美子; 榊 泰直; Pirozhkov, A. S.; 匂坂 明人; 今 亮; 福田 祐仁; 桐山 博光; Dover, N.*; 関口 健太郎; 小倉 浩一; et al.
no journal, ,
世界各国において、PW級のレーザーシステムが稼働を始めようとしており、各地で活発なレーザーシステムの開発が行われている。超高強度レーザーと物質の相互作用によって生成される高エネルギー粒子は、超高強度レーザーシステムを使用した時にのみ発生できる新たなパラメータを呈するため、新たな物理を探るための新規量子ビーム源として注目を集めている。原子力機構関西光科学研究所所有、高コントラスト超高強度短パルスレーザーJ-KARENレーザーシステムは、レーザー駆動型のイオンの高エネルギー化の実現を一つの目標として、昨年度よりレーザー及び照射系すべてにわたるアップグレード作業を行ってきた。世界においても、100fsを切る短パルスレーザーを用いた(すなわちターゲット上に投入されるレーザーエネルギーが限られた状態で)イオン加速実験では、100MeV級の陽子線は実現されていない。このようなレーザー駆動イオンの高エネルギー化目指すためには、ターゲット上でレーザーの高集光状態を達成することが必要不可欠であると考えられる。発表においては、これらのシステムを用いたファーストライトの実験結果、今後の方針について述べる。